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中国ミスコンとある哲学者。 [BOOKS]

先日のヤフーニュースは、中国河南省で年末から年始にかけてミス中国観光のコンテストが行われ、上海代表の李林憶(リーリンイー)さんが優勝したことを伝えた(写真)。記事は、「経済発展著しい上海は、まさに中国のシンボルである。都会的な美人である李さんがトップになったことは、中国における上海という都市の、特別な存在を示しているのではないだろうか。」との専門家のコメントを添えている。

中国、正確には中華人民共和国は1949年に樹立された社会主義国家であるが、最初の指導者である毛沢東時代の大躍進政策や文化大革命の失敗で経済発展が遅れたが、その後鄧小平が改革開放を旗印に揚げ、中国経済は一気に発展することになったといわれる。

石平(せきへい)という、中国四川省生まれの哲学者、評論家が書いた『私は「毛主席の小戦士」だった ある中国人哲学者の告白』という本がある。中国人である著者が毛沢東、鄧小平そして江沢民の共産党政治を痛烈に批判した本だ。共産党独裁体制維持のための彼等のやり方には「血も涙もない、主義も哲学もない。法律も道理もない。あるのはただ、手段を選ばない卑劣さと残酷さであった。」と一刀両断である。これはもちろん、文化大革命で数千万人の餓死者などを出したことや、天安門事件での民主化弾圧、人権蹂躙などのことを言っている。

石平は1998年、26歳のときに来日して神戸大学で学ぶ。以来、日本人の礼儀正しい国民性に触れて感動し、日本で執筆活動を続けている。この本の中に、「「やさしい」という言葉に思うこと」という話がある。「やさしい」という言葉は中国語に訳せないのだそうだ。日本にいる中国人同志が中国語で会話していても、「やさしい」という部分だけは中国語ではなく日本語そのままになってしまうらしい。

中国の一流学者が編纂した『日中辞典』で「やさしい」という単語を調べると、「善良」「慈悲」「懇切」「温情」「温和」など、合計10個以上の中国語の単語が並べて解説してあるのであるが、残念ながら、日本語の持つ「やさしい」というニュアンスを伝えられるものは一つもないのだそうだ。「やさしい」という単語の解説に使われた10個以上の中国語はいずれも中国語の世界では「もっとも良い人」を形容するときに用いられる最上級の褒め言葉で、日本にはこの「やさしい」人が身の回りに沢山いると著者は言うのである。

石平は結局、中国は日本を見習うべきなのだと言っているのだ。国家創立以来の卑劣な共産党独裁政権では、自国民も不幸であるし、世界からも認められないと彼は考えている。西洋並にミスコンテストをやるのもいいが、政治が変わらなければ中国は今までどおり何も変わらないと石平は考えているに違いない。


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