SSブログ

学歴、学歴と騒ぐじゃないよ。

IMG_0403.JPG昨日夕方札幌入りしたが、風が涼しくて秋の気配が漂っていた。天気も良く北海道は今ベストシーズンといっていいのではないだろうか。私は札幌に来ると札幌グランドホテルを常宿にしているが、今回は満室ということで仕方なく札幌駅に直結しているホテル日航札幌に宿泊した。駅直結で便利なことは当り前なのであるが、それ以上によかったと思ったことは、35階のレストランから札幌の街並みを一望できることだ(敢えてもう一つ付け加えれば、朝食バイキングで納豆と混ぜる生玉子を出してくれたことだ)。

35階から私の撮った写真には、北海道大学が写っている。写真の上から1/3あたりのところに茶色いいくつかの建物が緑の木々の間から屹立しているのが見えると思うが、そのあたりで私は2年間、授業も出ずに経済学の単位を取った(夜の経済学のほうが私は得意であった)。会社には大学の先輩もいるが、酒を飲んだ席で大学の懐かしい話をしたことはほとんどない。その先輩も私と同じ北海道出身者であるが、同じ北海道出身という連帯感を感じることはあっても、同じ北大出身という連帯感を感じることはない。

コラムニストの小田嶋隆さんが『人はなぜ学歴にこだわるのか』という本を書いている。学歴のことは表立って口にする人は少ないが、本当は誰もがこだわっている、それはどうしてなのだろうか、小田嶋さんはこの本を書いた動機をこう述べ「学歴という陰険な謎を、一遍、太陽の当たる場所にひきずり出してみたかった」と書いている。

学歴なんか生きていく上で関係ない、他人の学歴には興味がない、という人に限って学歴に対するこだわりがあるものだ。人生は学歴で決まる、と逆に断定調で言われるのも辟易するが、本音と建前を使い分けるよりはこちらのほうがまだ正直と言えば正直かもしれない。小田嶋さんは七転八倒しながらいろいろ学歴に関する考察を試みているが、結局、学歴に関する「呪縛」からは解放されなかったように思う。

そんななかで、小田嶋さんは肯定的ではないが、私がわりと納得した考え方は、学歴に関することは「趣味の問題」という捉え方である。人生を賢く生きるために学歴にこだわるべき、それとも、こだわるべきではない、どちらが正しくてどちらが間違っているのか、誰もが納得する答えは多分ないのだろうと思う。あやふやな結論になってしまうかもしれないが、それは「趣味の問題」というレベルでしかないのかもしれない。飽くまでも学歴にこだわる方はどうぞとことんこだわってください、こだわったからといって人生を賢く生きせれるとは限らないことは誰もが知っているわけだから、あまり目くじらを立てることではないということではないか。

この本の中に面白いエピソードが一つ紹介されていた。SMAPの中居君があるテレビ番組で香取慎吾君に向かって「シンゴ君は中卒だから」と発言した。コマーシャルのあと、番組司会者が「さきほど番組のなかで不適切な発言がありました」とお詫びしたというのだ。「不適切な発言」とはもちろん「中卒」のことである。中居君と香取君は「中卒」という言葉を別段気にしていなかったが(むしろギャグ的に使ったかもしれない)、慌てたのは放送局だった。「中卒」という言葉は放送上「禁句」だったのである。

放送局の対応は心情的にはわかる感じがする。バラエティー番組を見ていると、チビ、デブ、不細工という身体的特徴を非難する言葉がよく飛び出すが、こういう言葉については放送上問題がないらしい。でもよくよく考えてみると、中学校卒業、略して「中卒」という言葉を悪意なく使うことはいけなくて、相手を罵る意図からチビ、デブなどと品の良くない言葉を使うことは許される、何か変な感じがするわけであるが、まさにここに学歴というとらえどころのない問題の本質が見え隠れしているような気がする。

さて、札幌から午後戻り、夕方高円寺の串揚屋(関西の串カツ屋)で一杯やった。店を出た後、家に帰る途中でゲリラ雨に遭い、全身びしょ濡れ。日頃の精進が足りないなあ。

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。