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寅年でも、ちょっとだけ経済イルージョンを見てみたい。 [高円寺]

IMG_0403.JPGさて、今年も残すところあと一日。私は大晦日の明日、帰省する。天気予報によると釧路は今日の夕方から雪が降り出し、明日の午後あたりまで降り続くらしい。天気のことはお天道様にお祈りするしかない。東京に戻るのは2日。二泊三日の短い帰省であるが、少しだけ親孝行してくるつもりだ。

今年もいろいろなことがあった。でも、昨年もいろいろなことがあったし、来年もまたきっといろいろなことが起こるに違いない。ところで、恒例になった今年の世相をあらわす漢字一字であるが、今年は「新」に決まった。流行語にもなった政権交代のインパクトが選定に影響したように思うが、政治よりももっと劇的に変化を見せたのは経済のほうだったと私は思う。

とにかく不況である。仕事がない、給料は下がる、ボーナスは出ない。社用族が減ったお陰で、銀座、赤坂などのクラブは閑古鳥が鳴いている。流行っているのは、自腹で2000円もあればたっぶり飲み食いできる立飲み屋くらいだ。デフレの波は飲食の世界に押し寄せていて、酒の肴が全品299円という立飲み屋まで現れている。給料が下がっているのだから、モノの値段が安くなるということは歓迎すべきことなのだが、以前にも書いたように、長い目で見るとデフレ・スパイラルというのは経済を収縮させ、不況を一層深刻化させる危険性がある。

ある有名月刊誌が、今の不況は「ユニクロ型不況」と書いた。ユニクロは衣料品を安く売って成長してきた企業だが、だからといって決して「安かろう、悪かろう」という感じではこの頃なくなってきている。ユニクロはもともと独自の経営戦略を持っていて、それに従ってコツコツやってきたら結果、安くてもよい製品を売れるようになってきたのであるから、今のデフレの犯人がまるでユニクロであるような言い方は適当ではないと私は思う。

先日テレビを観ていたら、ある著名エコノミストが面白い話をしていた。スバリ、資本主義はすでに崩壊しているというのだ。資本主義の大原理は「安くモノを仕入れて、高く売る」ということなのだそうだ。しかしながら、資源高などで安く仕入れができなかったり、かりに安く仕入れたとしても高く売れなかったり、資本主義の大原理が崩壊しているというのだ。なるほど、もしそうだとするならば、この資本主義が最も華やかに躍動したのはバブル経済の時期だったのかもしれない。今日1億円で手に入れた土地は、次の日には2億円で売れた。今日1千万円で買った株は、明日には1千2百万円になった。みんなが幸福になれたような気が一瞬したが、それはイルージョン(幻想)、虚構であることを後に我々は知ることになった。

最近、日本は社会主義国になったのかと問題提起する雑誌などがでてきた。これもあるテレビ放送で観た話であるが、ベルリンの壁崩壊を経て東西ドイツは統合されたわけだが、社会主義国のほうが良かったと感じている旧東ドイツ出身者がかなりいるという。旧東ドイツでは会社に対して不平不満を言ってもクビにならなかったが、統合後は、簡単にクビになってしまうとか、以前に比べて貧富の差が広がったとか、資本主義に対する疑問を感じている人が少なくないらしい。

これから日本経済はどうなるのだろうか。あまり好きな言葉ではないが、ごく限られた「勝ち組」だけが富を手にする経済になっていくような気がする。カリスマ性を持った経営者がいる企業、強力な資本力を持つ企業、広く知れ渡ったブランドを持つ企業、このような企業だけが生き残っていく、そういう時代がすでに来ているのかもしれない。先日、キリンとサントリーの経営統合が報じられた。この両社はどちらも「勝ち組」である。これまでの経営統合といえば、「負け組」を「勝ち組」が助けるような形がほとんどだった。キリン、サントリー両社の目指すところはすでに日本国内にはない。海外のライバル企業とどう世界で戦い、そして勝つのか、今回の経営統合は「勝ち組」同士のそうした狙いが一致した結果の産物だった。

さて、来年は寅年。経済面から見ると、寅年はこれまであまりよくない年が続いた。前回の1998年は、前年11月から証券会社、銀行などがいくつか破綻し、日本発の世界金融恐慌になるのではと懸念が広がった年だった。その前の1986年は円高不況の真最中。1974年は第一次オイルショックの翌年だった。その前の1962年は長く続いた岩戸景気の反動で大不況に陥った年だった。来年はこれまでの寅年と違う寅年であってほしいと祈るばかりである。

長々とつまらないことを書いてきたこと、ご容赦願いたい。ここで、私事に関わる恥ずかしい出来事を一つご披露する。少し前から、首のあたりに小さなイボのようなものがいくつか出来ているのに気付いていた。気になるので年内に一度皮膚科で診てもらおうと思い、ようやく一昨日初診で行ったのだが、先生の診断に思わず噴出しそうになった。病名「老人性イボ」。イボはウイルス性のものもあるのだが、私の場合は単に年を取ったせいで出来たものらしい。さっそく左側のイボをレーザーとハサミと除去してもらった。右側は年明けに取ってもらうことにした。私も49歳で年といえば年であるが、「老人性」と言われるとさすがに笑うしかなかった。

さて、今年も皆さんいろいろお世話になりました。今回は北海道にパソコンを持っていかないので、記事の更新は今日を最後にします。一年間ありがとうござました。来年も今住んでいる高円寺(写真、高円寺駅)から懲りずに駄文を発信し続けたいと思います。


皆さん、素敵な新年をお迎えください。

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