SSブログ

ロマンポルノ、観たいのはやっぱり、あのシーンです。 [映画]

image19128.jpg先週から北海道出張が続き、その合間を縫って引越しの準備があったりと、さすがの私も少々バテ気味だ。いつもであれば土曜日の夜は新宿あたりに夜な夜な繰り出すのであるが、今日はどこにも外出せず、ずっと家にいることにした。

来週月曜日から上野方面に移るからという訳ではないのだが、今日は玉の井(現在の東向島)を舞台に、老境の小説家・大江と娼婦・お雪との出会いと別れを描いた、永井荷風の『濹東綺譚』を読んでみた。この小説、ドラマチックな展開は何一つないのだが、玉の井、浅草といったあたりの下町情緒、人情、そして大江とお雪の出会い、別れが、季節の移ろいに併せて実に上手く描き出されていて、不思議な魅力を感じされる小説だった。

大江とお雪の出会いは突然なのだが、そのくだりが艶っぽくていい。嵐の夜、大江が傘をさして歩いているといきなり後方から「「檀那(だんな)、そこまで入れてってよ。」といいさま、傘の下に真白な首を突っ込んだ女がある。」。この、首の真白い女がお雪である。こんな夢のような出会い、私も一度くらい経験したいところだが、いずれにしろ、永井荷風はつくづく名文家だと思う。

さて、『濹東綺譚』は二度、映画化されている。二回目の映画でお雪を演じたのが墨田ユキだった。ご存知の方も多いと思うが、墨田ユキはそれ以前、雨宮時空子(ときこ)という名でAV女優として活動していたことがある。北海道出身で肌が白く、男好きのするぽっちゃり顔で、一部では人気があったと思うのだが、彼女の無修正動画が流出して、一時期アンダーグランドで話題になったこともあった。

過激な性描写のAV映画が一般的になって久しいが、それとは一線を画する日活ロマンポルノがいよいよ復活することになった。復活第一作は、日活ロマンポルノの記念すべき第一作である「団地妻 昼下がりの情事」のリメイクである。ところで、「団地妻」といえば白川和子さんである(写真)。色っぽくて団地妻にまさに適役、絶品という感じである。

日活ロマンポルノの復活について映画評論家などが新聞などでコメントしていたのを読んだが、復活の理由についてある方が「今のAVにはポルノはあるが、ロマンはない。それに飽きた人たちが、ストーリー性のある日活ロマンポルノに回帰したのではないか」、そんな趣旨の発言をしていた。もっともらしく聞こえるが、私はそうではないと思う。復活前の日活ロマンポルノのときだって、観ている男性のほうは「早くセックスシーンが観たい」と願っていたのだ。ストーリー性なんてカッコいいものはどうてもよかったのだ。それに、エッチ映画にロマンを求めてる人なんて、そういない。

何度か書いたが、「飽きる」、これが人間の基本的性質の一つだと思う。AVをずっと観続けていると、どこかで必ず「飽きる」(私も飽きた)。そうなると、たまにはちょっと毛色の違うエッチ映画を観たくなる。そういうタイミングが今、たまたま訪れている、ただそれだけのことじゃないかと思う(ただし、復活した日活ロマンポルノが昔のような人気を再び獲得することが出来るかどうかは、未知というか、正直そんなに簡単なことではないと思う。)。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。