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食欲、性欲、金銭欲、物欲、われわれのことです。 [時事]

IMG_0100.JPG驚くような出来事が本当に毎日のように起こる。この世の中に平安な一日なんて一日も存在しないのではないか、そんな気にもなってくる。大阪では、23歳の母親(母親といっても、写真を見ると実に幼い感じがする。)が、3歳と1歳になる自分の子どもを放置し、餓死させた。また、東京では、民家で生きていれば111歳になる老人の白骨化した遺体が見つかった。実は30年前に亡くなっていたのではないかと見られている。

貝原益軒は人間の基本的な欲望は、食欲と性欲だと言ったが、このような事件を見ていると、この世を支配しているものは悲しいかな、人間のギドギドした金銭欲、物欲といったものではないかとつくづく思う。東京のケースでは、老人が生きている前提で支給された年金などを、家族が使ってしまった疑いが持たれている。

金銭欲も物欲も、何も今始まったわけではない。でも、それらの欲望に基づいた異常とも思える事件が、どうして今の時代に起きるのだろうか。専門家の方々のいろいろな分析はあると思うが、私が考える原因の一つは、「多くの人たちにとって、今は夢のある時代ではない」ということだと思う。

「貧しくも美しく生き」という言葉があるが、お金がなくても、自分の欲しいものがすぐに手に入らなくても、ちょっとがんばれば先が開ける、未来がある、そんな時代ならば、我慢がきく。映画「三丁目の夕日」の時代は、まさにそういう時代だったのだろうと思う。今の時代はどうだろうか。才能ある人にとって、時代の変化は関係ない。才能で食べていけるからだ。でも、世の中の99%を占める我々凡人は、経済の微妙な変化に翻弄されながら生きている。とりわけ今の時代は、これまで日本が経験したことのない低成長時代で、給料が上がるどころか、下がってしまうような辛い時代であり、そこそこ生きることさえ「体力と知恵」が求められる。だから、あー、嫌になっちゃう、すべてが馬鹿馬鹿しい、そう思う人が出てきても全然おかしなことではない。

その他の理由として、「価値観の多様化、個性をあまりにも安易に許す世の中になった」「極端な勧善懲悪の世の中、綺麗事の世の中になった」こと等、いろいろな原因があると思う。いつの時代も、世の中の仕組みを変えるのは政治の仕事である。しかしながら、もし政治家まで金銭欲、物欲に翻弄されているとすれば、日本は本当に沈没してしまうかもしれない。

さて、今日はまたまた釧路に来ている。羽田からの便には多くの観光客が乗っていたが、ビザ支給要件の緩和を受け、これからは中国人観光客も激増することだろう。ところで、写真は今朝の羽田空港の様子であるが、中国語で「全日空」は、「終日、空席」という意味だそうだが、中国人観光客がたくさん来てもらえば、「終日、満席」になるかもしれない。



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まさまさ

平凡な日々の暮らしの中でのささやかな幸せ。家族そろっての団欒、夕食。はずむ会話。鳥の泣き声、美しく咲く花、きれいな夕日、心地よい風。(今日は詩人だな~)
by まさまさ (2010-08-03 09:19) 

karubi

まさまささん、こんにちは。
暑い日が続きますね。
私は北海道出張で少しだけ避暑してます。

何事もなく平凡に暮らす、簡単なようですけど
実は大変な労力のいることのような気がします。
家族の団らんがある、それだけでも幸せなこと
かもしれませんね。

karubi
by karubi (2010-08-04 08:48) 

たかね

たくろうの歌 ・・・  麦わら帽子は どこ行った~♪

100円ショップで買ったら? なんて、今の子供たちに切り返される。そんな情緒もないような世界観が、世の中を支配しつつあります。

モノが溢れている一方、情報も溢れ、世界は既知感?既視感?で逆に閉塞した感じがします。クローズドな世界になると、精神論や建前・権威といったものが幅を利かせるようです。あたかも尺度が一つかのような、世界観が語られるのです。だから夢も見れなくなるのだと思います。

そんなときは、歌でも歌うのです。昔のセンチな映像が頭をよぎり。。。今生きている世界と別の世界があったことを思い出すのです。同じように、将来も、まだまだ何が起こるかわからない!のです。

私が恋をするかもしれないでしょう。(ぷっ)




by たかね (2010-08-06 11:10) 

karubi

たかねさん、こんばんは。
立秋も過ぎ、暦の上ではもう秋。
♪今はもう秋 誰もいない海
ご存知、トワ・エ・モアの「誰もいない海」ですが、
秋といっても今年の日本列島はまだまだ暑いですね。

さて、吉田拓郎に「今はまだ人生を語らず」という名曲が
ありますが、そこにこんな歌詞があります。
♪今はまだまだ人生を語らず
目の前にも まだ道はなし
越えるものは すべて手さぐりの中で
見知らぬ旅人に 夢よ多かれ

旅人に夢が多い時代であってほしいと願いますが、
なかなかそれが難しい時代になっています。
でも、そんな世の中にしてしまったかなりの部分は
我々大人の責任であることも忘れてはいけません。

私もいろいろ反省しきりです。

karubi


by karubi (2010-08-08 21:35) 

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