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I like to drink. この程度で結構かと思いますが。 [新宿]

IMG_0148.JPG今週の読売コラムは、楽天やユニクロを展開するファーストリテイリングなどが進める社内英語公用化の動きについて、国際化が急速に進むなかで好ましいことだと書いていた。今から2年近く前の話だと思うが、高校の英語授業をすべて英語で行おうという当時の文部科学省の提案に対して読売は、それは「時期早尚」として反対していたのであるが、ビジネスの世界での英語化についてはどうやら賛成らしい。

英語は話せたほうがいいに決まっているが、どんなことでも程度問題はあるし、少し冷静になって考えてみることも大切なような気がする。私はこれまで、日本人と英語のことについてここで書いてきた。それらのことを通じて私は、日本人の英語能力は今のまま(中学英語の読み書きができる程度)でいいのではないか、ということを言いたかった。

まず、大上段に構えてみる。今年で戦後65年目を迎えたわけだが、使える英語を目指して国家が英語教育に手を変え品を変え、かなりの力を注いできたにもかかわらず、ほとんどの日本人がまともに英語を話せないないというのは、どういうことなのだろうか(この事態は「異常」と言っても過言ではないかもしれない。)。思うに、日本人と英語というのは相性がよくない、端的に言うとそうことなのではないだろうか。

作家の藤原正彦さんによると、日本人が英語下手な理由には二つあるらしい。一つは、英語と日本語はあまりにも異なる言語だということだ。英語を話すアメリカ人にとって、もっとも難解な言語は日本語とアラビア語だそうだ。そして、もう一つの理由は、これはなかなか面白い分析だと思うのだが、日本では、日常生活で英語を必要としていないということだ。当たり前のことのように聞こえるが、植民地経験のない日本は、外国から日本語以外の言語を使うことを強要されたことがこれまで一度もなかった。日本語さえ話せれば、日本にいる限り、生活に不便がない、日本人はずっーとそういう生活をしてきたのだ。

さて、少し話を変えてみる。世界共通語というのがある。相当古くからある話であるが、一向に実現する気配がない。それは何故か。思うに、実のところ、世界中のどの国民も、世界共通語の実現なんか望んでいないからだと思う。なぜなら、自国の言語というのはその言語を使う国民にとって正にアイデンティティーそのものだから、世界共通語を使うということは、日本人なら日本人の、中国人なら中国人の、それぞれアイデンティティー(個性)を抹消することに等しい行為になってしまうからだ。日本人は日本語を、中国人は中国語という「個性」を大切にしたいと思っているに違いないし、そのことは極めて自然で健全なことのように思う。

ちょっと話が逸れたが、前出の藤原正彦さんは、海外で長く生活した自身の経験から、本当の国際人というのは英語が達者な人のことではなく、自国の言語をよく勉強していて、そのことを通じて自国の文化をきちんと理解し、体現している人のことだと述べている。藤原さんのこの意見に、私も賛成する。英語に力を入れるのも結構だと思うが、日本語のよさ、日本文化のよさ、日本人のよさをしっかり勉強することが海外から我々日本人が尊敬される唯一の道だと思う。もしそうなれば、日本人が英語を勉強するのではなく、逆に海外の人たちが日本語を熱心に勉強するようになるかもしれないし、できればそうなってほしいと思う。


写真は、昨日の新宿(紀伊国屋書店から新宿駅東口を撮った)。昨夜も新宿ゴールデン街で痛飲してしまった。

今日はいよいよ高円寺阿波おどりが開催される。雨じゃなくてよかった。写真をたくさん撮ってこようと思う。ご期待ください。

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まさまさ

カルビさんの言うところの、日本人だからまずは自国のことをしっかり学び、、、。まさにその通りでしょうね。

他国から見ると、日本語は複雑怪奇でしょうね。

まずは漢字の多さ。我々日本人でさえ小学校1年生から漢字を年間数十字づつ学び出し、小学校6年あたりでいっぱしに。それでもまだまだ中学高校と学ぶ漢字は多い。

それに加えて、謙譲語、尊敬語なるものもあるし。

当の日本人でさえ大変ですよね。

それにしても海外に長く旅をして、その海外の空港あたりで、なつかしい言葉らしきものが聞こえてくるとそちらの方へ行ってみると韓国語だったりすることに驚かされる。






by まさまさ (2010-08-30 14:15) 

karubi

まさまささん、こんばんは。

少し前に新宿から戻ったのですが、札幌ラーメン
「味の時計台」で味噌ラーメンを食べていたら、
私のとなりに香港の観光客と思われる親子連れ3人
が座りました。

彼らは私の横で中国語と英語をちゃんぽんで話をして
いました。まさまささんもご存知のように、香港の方は
中国語と英語を当然のように話します。私ももし香港で
生まれ育ったら、英語はペラペラだったでしょうね。
言語って、そういうものだと思います。

国際化時代にあって、海外進出を企むファーストリテイ
リングや楽天が英語の重要性を強く認識したということ
かもしれませんが、どちらの会社も強力なオーナー社長
がいて、キッキリ言えば、彼らの「鶴の一声」で社内英語
公用化は決まったのだろうと思います。

こういうのって、危ういですよね。だって、オーナー社長が
誰かに変わってしまえば、多分、日本語にまた戻るでしょう
から。なぜなら、社内英語公用化を望んでいる社員なんて、
ほとんどいないと思うからです。

英語は大切かもしれませんが、日本語が必要なときは日本語、
英語が必要なときは英語、そういうふうに使い分ければ
いいだけの話だと私は思うのですが。世界のトヨタでさえ、
社内英語公用化をやってませんよね。

karubi






by karubi (2010-08-30 21:28) 

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