仮面舞踏会、変身願望というよりは、自己隠蔽願望。 [新宿]
「一週間のご無沙汰でした」は名司会者だった玉置宏さんのセリフであるが、私のブログ更新は約一ヶ月ご無沙汰してしまった。そんなことではいけないと思い立ち、月末日の今日、今月二回目の記事を書くことにした。
さて、赤坂飲食店プロジェクトは明日ようやく日の目を見ることとなった。明日午前11時、グランドオープンを迎える。なんとかここまで辿り着いたというのが今の実感である。それにしても、バタバタの連続であった。料理なんかまともにしたことがない私がリーダーで進めてきたわけだから、スムーズに行くはずがないのだ。
そんな私の至らない部分についていろいろアドバイスをくれたのが、新宿ゴールデン街を中心とする新宿の夜の仲間達だった(皆さん、お店のオーナーの方々です。)。メニューの試作品をお客さんに出してくれてモニタリングに協力してくれたり、女性トイレには楊枝、綿棒、油取り紙、マウスウォッシュを置くように教えてくれたのも彼らだった。
そんな彼らに感謝の意も込め、オープン前の一昨日、出来上がったメニューを赤坂で食べていただいた。お店のエースメニューであるいくら丼、釧路発祥の鶏の唐揚げであるザンギ、ぷりぷりした食感の仙鳳趾(せんぽうし)の牡蠣フライ、珍しい焼いた燻製サンマなど、ほとんどの料理を美味しい召し上がっていただいたようで、私はほっとした。彼らからはいくつかアドバイスもいただいたので、それらは今後に活かして行きたい。
明日は午前8時、赤坂集合である。元気をつける意味で今夜は新宿歌舞伎町のとんかつ屋で、ロースかつ定食を食べた。もちろんいつものように一人で食べていたのだが、私の横のテーブル席には、三人連れの家族が食事をしていた。両親と中学生くらいの娘さんの三人で、お父さんは私と同じくらいの年齢に見えた。
そのお父さん、声が少し大きく、一人で喋っていた。お父さんはなかなかの勉強家のようで、奥さんと娘さんに自分の知っていることを自慢げに話していた。ヒレは豚のどの部位であるかとか、ドラフト会議の交渉権とはどんな権利なのかとか、お父さんは次々と説明を始める。奥さんはちょっと飽きたような顔をしていたが、娘さんは熱心にお父さんの話を聞いていて、たまに質問もしていた。
私が席を立つ少し前、そのお父さんは、昨日の新宿はハロウィンでとても賑やかだったという話をし始めた。そして、仮装をしているのは男性よりも女性のほうが多く、それは、男性よりも女性のほうが変身願望が強いからではないかという「見解」も示した。奥さんと娘さんは反応しなかったが、お父さんは自信ありげに胸を張った。
ヒレの部位とか、ドラフト会議の交渉権の話はどうでもいい話だったが、仮装と変身願望の関係については、私はちょっとだけコメントしたい気分だった。
仮装パーティーなどではよく仮面をつける。少年隊に「仮面舞踏会」という曲があるが(カラオケで私はたまに歌います。)、その出だしの歌詞は次のとおりだ。
♪ shyな言い訳 仮面でかくして
踊ろ踊ろ かりそめの一夜を きっとお前もなやめる聖母
棄てな棄てな まじなプライドを今は
この曲の場合、仮面で隠すものは「shyな言い訳」であるが(よく考えてみると、この「shyな言い訳」って何のことかよくわからない。)、それはそれとして、一般的に、仮面をつけるという行為は変身願望ではなく、どちらかと言えば、自己隠蔽願望、自己消失願望ではないかと思う。
仮面をかぶる行為は、変身して別のものに変化するという前向きなものではなく、どちらかと言えば、隠れる、消えるといった後ろ向きなもののような気がするのだ。なぜなら、仮面をかぶる最大の効果とは、自分が誰であるか相手に知られなくなることだからだ(もちろん、仮面をかぶっても自分が誰であるかバレてしまうことはあるかもしれないが。)。この自分が相手に認知されないという気分は、変身というより、隠蔽・消失という表現のほうがふさわしいように思う。
今述べた、自己隠蔽、自己消失という願望は、ネット社会に通じるものがある。ネット社会では、匿名という「仮面」が、自分が誰であるかを相手に知らせない効果を生み出している。正確なことは知らないが、商用目的以外の個人的なホームページ、ブログの9割以上は匿名なのではないだろうか。私も匿名でブログを書いている。しかしながら、匿名でブログを書いている私には、決して変身しているという気持ちはなく、どちらかと言えば、匿名という「仮面」をかぶってネット社会でこっそりと生きている、そんな感覚でいるのだ。
それにしても、とんかつ屋のお父さんは博識でした。
写真は、新宿伊勢丹。飲食店の最激戦地帯、新宿。赤坂の次は新宿で勝負しようと考えている。
さて、赤坂飲食店プロジェクトは明日ようやく日の目を見ることとなった。明日午前11時、グランドオープンを迎える。なんとかここまで辿り着いたというのが今の実感である。それにしても、バタバタの連続であった。料理なんかまともにしたことがない私がリーダーで進めてきたわけだから、スムーズに行くはずがないのだ。
そんな私の至らない部分についていろいろアドバイスをくれたのが、新宿ゴールデン街を中心とする新宿の夜の仲間達だった(皆さん、お店のオーナーの方々です。)。メニューの試作品をお客さんに出してくれてモニタリングに協力してくれたり、女性トイレには楊枝、綿棒、油取り紙、マウスウォッシュを置くように教えてくれたのも彼らだった。
そんな彼らに感謝の意も込め、オープン前の一昨日、出来上がったメニューを赤坂で食べていただいた。お店のエースメニューであるいくら丼、釧路発祥の鶏の唐揚げであるザンギ、ぷりぷりした食感の仙鳳趾(せんぽうし)の牡蠣フライ、珍しい焼いた燻製サンマなど、ほとんどの料理を美味しい召し上がっていただいたようで、私はほっとした。彼らからはいくつかアドバイスもいただいたので、それらは今後に活かして行きたい。
明日は午前8時、赤坂集合である。元気をつける意味で今夜は新宿歌舞伎町のとんかつ屋で、ロースかつ定食を食べた。もちろんいつものように一人で食べていたのだが、私の横のテーブル席には、三人連れの家族が食事をしていた。両親と中学生くらいの娘さんの三人で、お父さんは私と同じくらいの年齢に見えた。
そのお父さん、声が少し大きく、一人で喋っていた。お父さんはなかなかの勉強家のようで、奥さんと娘さんに自分の知っていることを自慢げに話していた。ヒレは豚のどの部位であるかとか、ドラフト会議の交渉権とはどんな権利なのかとか、お父さんは次々と説明を始める。奥さんはちょっと飽きたような顔をしていたが、娘さんは熱心にお父さんの話を聞いていて、たまに質問もしていた。
私が席を立つ少し前、そのお父さんは、昨日の新宿はハロウィンでとても賑やかだったという話をし始めた。そして、仮装をしているのは男性よりも女性のほうが多く、それは、男性よりも女性のほうが変身願望が強いからではないかという「見解」も示した。奥さんと娘さんは反応しなかったが、お父さんは自信ありげに胸を張った。
ヒレの部位とか、ドラフト会議の交渉権の話はどうでもいい話だったが、仮装と変身願望の関係については、私はちょっとだけコメントしたい気分だった。
仮装パーティーなどではよく仮面をつける。少年隊に「仮面舞踏会」という曲があるが(カラオケで私はたまに歌います。)、その出だしの歌詞は次のとおりだ。
♪ shyな言い訳 仮面でかくして
踊ろ踊ろ かりそめの一夜を きっとお前もなやめる聖母
棄てな棄てな まじなプライドを今は
この曲の場合、仮面で隠すものは「shyな言い訳」であるが(よく考えてみると、この「shyな言い訳」って何のことかよくわからない。)、それはそれとして、一般的に、仮面をつけるという行為は変身願望ではなく、どちらかと言えば、自己隠蔽願望、自己消失願望ではないかと思う。
仮面をかぶる行為は、変身して別のものに変化するという前向きなものではなく、どちらかと言えば、隠れる、消えるといった後ろ向きなもののような気がするのだ。なぜなら、仮面をかぶる最大の効果とは、自分が誰であるか相手に知られなくなることだからだ(もちろん、仮面をかぶっても自分が誰であるかバレてしまうことはあるかもしれないが。)。この自分が相手に認知されないという気分は、変身というより、隠蔽・消失という表現のほうがふさわしいように思う。
今述べた、自己隠蔽、自己消失という願望は、ネット社会に通じるものがある。ネット社会では、匿名という「仮面」が、自分が誰であるかを相手に知らせない効果を生み出している。正確なことは知らないが、商用目的以外の個人的なホームページ、ブログの9割以上は匿名なのではないだろうか。私も匿名でブログを書いている。しかしながら、匿名でブログを書いている私には、決して変身しているという気持ちはなく、どちらかと言えば、匿名という「仮面」をかぶってネット社会でこっそりと生きている、そんな感覚でいるのだ。
それにしても、とんかつ屋のお父さんは博識でした。
写真は、新宿伊勢丹。飲食店の最激戦地帯、新宿。赤坂の次は新宿で勝負しようと考えている。
2010-10-31 22:41
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コメント(5)
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ご無沙汰してます! おー待ちしておりました。
自己隠蔽願望に・・・は残念ながら白票。
お父さんに、私の価値のない1票を入れさせていただきます。
(シュミマシェ~ん しぇ~ん 髪バ~ック!・・・脈絡アリマセン)
先週金曜日、我が家で、ガキたち(うちは10歳の娘双子)の
集まりがあり、実はハロウィーンぱーちーだったようで
(お父さんは、そんな話聞いてなかったぞ~)
変身といっても、顔に落書きした程度なのですが、
はしゃぐ、盛り上がる、はじけるのなんのって
普段?抑制された自我の丸出し(ポロリ?)
(あ、まだ10歳なので、ないですね)
写真とその晩飯の子供らの高揚余韻度合いをみるに
まあああああ 楽しかったみたい~~~
(お父さんは実は休業で休みだったのだが、図書館に終日
いたのであった~~~)
かりそめな一夜 妄想なら 自己チューではないかと
ま、どうでもいいですね
子供ら見る限り、理屈より何とか。花より団子、いつかは男子。
そんな感じ
オープン 今日でしたね
おめでとうございます!
ところで、詳細な場所をご教示いただけるとありがたいのです。
by たかね (2010-11-01 16:35)
店情報、ゲットいたしました。ご対応不要です。
by たかね (2010-11-01 17:53)
karubiさん、オープンおめでとうございます♪
お忙しいようでしたが、お元気そうで何よりです^^
仮面をつけるのは、顔を隠す事によって、何かを『出したい』願望のような気もします。透明人間になって、女湯に入るような感覚?
似たようなものでも、目隠しは、外界を遮断して、自分の感覚を研ぎ澄ましていきたい・・・わりと内にこもった感じがします。
by 蝶々 (2010-11-06 00:23)
たかねさん、こんにちは。
ハロウィンが終わったと思ったら、もう一ヶ月もすると
ジングルベルの季節がやってきますね。
ジングルベルが終わると、今度は、行く年来る年で
新しい一年がまた始まる。この年になると月日の経つのが
本当に早く感じます。
たかね家もいろいろあるようですが、全体的には
なんとなく上手くいっているような感じがして、
何よりです。
赤坂の店オープンしましたので、是非お越しください。
美味しいいくら丼を用意しておりますので、
ご賞味ください(ザンギ定食も美味ですよ。)
karubi
by karubi (2010-11-06 06:52)
蝶々さん、おはようございます。
慣れない仕事で正直辛いところがありましたが、
不思議なもので、少しずつ身体がついていっている
ような感じがしています。何でも慣れですかね。
仮面。いろいろなことを想像させる不思議な言葉です。
隠すのか、出すのか。透明人間になって女湯に入る。
これは、隠れたいのか、出たのか、どっちとも言えない
ようなあやふやな感じもしますね。
来年1月、東京にお越しの際には、赤坂のお店をご案内
いたします。お酒もありますので、楽しくやりましょう。
karubi
by karubi (2010-11-06 07:09)