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谷崎夫人への横恋慕、秋刀魚苦いか、しょっぱいか。 [映画]

autumn_afternoon,_an_209_1024.jpg今日は部屋の掃除をしなければならない日であったが、体調が思わしくなく、明日の朝に掃除は延期した。月曜日は昼から札幌に行かなければならないので、それまでに体調を整えておく必要があり、今日は家で静かにしていた。家にいると余計なお金を使わなくてすると済むというメリットはある。ある占い師に言わせると私は浪費家ということであるから、あまり外を出歩かないほうが、余計なお金をつかわないという意味からはいいのかもしれない。でも、じっとしていられない性分なので、明日は新宿あたりに出かけるかもしれない。

高円寺駅の近くに「やよい軒」という定食屋があって、たまに利用する。とんかつ定食、さば味噌煮定食、生姜焼き定食など定食を出す店で、若者や私のような独身男性の利用が多いようだ。ここでの私のお気に入りはチキン南蛮定食である。昨日も仕事の帰りに立ち寄ったら、新メニューとしてさんまの塩焼き定食が出ていた。さんまは釧路産のさんまを使っているらしく、釧路産のさんまがこちらではブランドになっていることを知って、釧路出身の私としては少し嬉しかった。

小津安二郎監督の遺作に「秋刀魚の味」という名作がある(英語ではAn Autumn Afternoon)。父親役は小津作品には欠かせない笠智衆、その娘役は岩下志麻(写真)である。ストーリーは小津監督得意の嫁入り話である。映画を何度か観たが、タイトルになっている秋刀魚が登場するシーンは一つもない。そうすると、秋刀魚は何かを象徴するものとしてタイトルに使用されたということになる。

作家、詩人である佐藤春夫の代表的な詩に「秋刀魚の歌」というのがある。このなかに有名な「さんま さんま、さんま苦いか 塩つぱいか。」というくだりがある。この「苦いか 塩つぱいか」というのは、秋刀魚自体の味を表現しているものではなく、男が一人食卓で秋刀魚を食べるときの孤独感のようなものを謳ったものとされる。ご存知のように佐藤春夫は作家谷崎潤一郎夫人に恋していたと言われ、この詩はその谷崎夫人に対する切ない想いのようものが背景にあるのではと言われている。さて、映画は、娘(岩下志麻)を嫁に出す父親(笠知衆)の孤独感を描いたので「秋刀魚の味」というタイトルをつけたのではと私は勝手に想像しているが、特に深い意味はなくなんとなく「秋刀魚の味」になったという説もあり、本当のところはよくわからない。

今月下旬には釧路出張が予定されているので、せっかくなので秋刀魚の塩焼きではなく、秋刀魚の刺身でも食べることにしよう。東京の皆さん、秋刀魚の刺身って食べられたことありますか?

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コメント 2

蝶々

karubiさん、お久し振りです。
体調は大丈夫ですか?家でゆっくりすごして、肝臓なども労わって上げて下さいね。
釧路の秋刀魚。堪能してきて下さい。秋刀魚の刺身は、冷酒で行きたいですね^^
by 蝶々 (2008-09-14 10:24) 

karubi

蝶々さん、こんばんは。
体調不良は、日頃の乱行のせいだと思います。
どこにも行かない土日というのは初めてかもしれません。
釧路の秋刀魚美味しいですよ。今、北海道で美味しいと評判の
地酒は根室の辛口「北の勝」です。冷酒と新鮮な秋刀魚の刺身、
今から楽しみです。

karubi

by karubi (2008-09-14 20:09) 

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