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高級娼婦のカトリーヌ。 [映画]

不二家問題が広がりをみせている。予想通りの展開になってきたが、今日の産経抄になるほどと思う話が載っている。不二家は、現社長の祖父にあたる藤井林右衛門が今から約百年近く前に、横浜・元町で25歳の時に創業した会社だ。その頃、生クリームを使った製品などは絶対に翌日まで持ち越すことはなかったと、『不二家50年の歩み』に創業者藤井のエピソードとして記録されているのだそうだ。

食の安全を軽視した今回の事件だが、ジャーナリストの野村進が『千年、働いてきました』という老舗企業の生き残りを探った本のなかで、老舗企業の共通点の一つに「利益に結びつかなくても、これだけは譲れないという代々受け継がれてきた意志」があると指摘している。不二家は、創業者の意志を失念したのではないかと記事は結んでいる。

さて、東京は今日夕方から冷たい雨になった。雨というのはなんとなく情緒的な感じがするせいか、文学、映画、歌などのタイトルによく使われる。映画で雨といえば、古典ではあるがカトリーヌ・ドヌーブの「シェルブールの雨傘」が私は好きだ。初めてこの映画を観たとき、こんな可愛い女性が世の中にいるのかと思った。

カトリーヌ・ドヌーブの映画で私が一番気に入っているのは「昼顔」(写真)である。夜は外科医の貞淑な妻、昼は高級娼婦となる女性をドヌーブが好演している。若い外科医ピエールの妻セブリーヌは幸せな結婚生活を送っていたが、どうしても性的に淫らな妄想から逃れることができない。そんなとき、知り合いの女性から高級売春宿を紹介され、何となくそこに引き込まれて行く。女性の屈折した精神と性欲の奥深さを描いた秀作である。

「昼顔」の原題はフランス語でBell de jour、意味は「よい天気ですね」という挨拶、または、「さわやかな女性」という慣用句だそうだ。いずれにせよ、昼の爽やかなイメージを持っている言葉のようだ。この映画のタイトルをBell de jourとしたところに、原作者の深慮のあとが窺える気がする。


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コメント 2

昼顔

うんちくすみません
「Belle-de-jour」で昼顔の意味です。他意はありません
良い天気は「Beau temps」です
by 昼顔 (2007-05-22 11:11) 

karubi

昼顔さん、はじめまして。
ご指摘ありがとうございます。
私は大学でフランス語を取ったのですが、
いつも散々な成績でした。
やはりフランス語には私は縁がないようです。
また宜しくお願いします。

karubi
by karubi (2007-05-22 13:24) 

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