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ネットカフェ難民、世の中はそんなに甘くないですよ。 [新宿]

3連休最終日であるが、旅行などに行って楽しんできた方々も多いことだろう。私は土曜日と日曜日に新宿にちょっと出かけたくらいで、今日は雨ということもあり、クリーニング品を取りに行く以外はずっと家にいてテレビを見ていた。私の会社は週休二日で土日が休みであるから、先月から続いている土、日、月の3連休パターンは、通常の休みに月曜日がたった1日付け加えられただけのものであるが、この月曜日が私にはとっては少し厄介なのである。

休みが1日増えたのだから、旅行したり、趣味のことをしたりしたらいいじゃないかと言われそうだが、貧乏性なのかどうか知らないが、月曜日には会社に行って仕事をするということに慣れているせいで、月曜日休むということになんとなく後ろめたいものを感じる。会社に行くことは決して楽しいことではないが(どちらかというと辛いことが多い)、今のところ不満を言わずに済む生活が出来ているのは、会社で働いていることに90%以上は依拠しているという事実を冷静に考えてみれば、会社を休む、つまり働かないで報酬を貰うことに対するちょっとした罪悪感のようなものを少し感じるのかもしれない。

さて、毎年この時期になると、今年の流行語大賞の話題がそろそろ出始める。この言葉は流行語大賞にノミネートされるかどうかは別にして、私がその実態を知って驚いたものに、「ネットカフェ難民」というのがある。NHKがそう「命名」した上で放送して、その存在が一般に知られるところとなった。ホームレスとは定住する家を持たない部分で共通しているが、ホームレスは最初から勤労意思がないのに対して、ネットカフェ難民は働く意思はあるのだが、定住する家を借りるために十分な収入を得られるような決まった仕事がないという点で異なる。

ネットカフェ難民は、支払いが安くて済むマンガ喫茶の1室を「住居」代わりにしている。私も何度かマンガ喫茶を利用した経験があるが、1畳程度しかない個室はとにかく窮屈だ。彼らの多くは日雇いの仕事で生計を立てている。

フリーターというのもある。彼らは住む家はきちんとあるが、定職に就かず、アルバイトでそこそこの生活ができればよいと考えている。そしていつか、自分に合った、自分の好きな仕事を見つけて、それからはしっかりした生活をします、それまで今はチャンスを待ちます、というのが彼らの基本的姿勢である。これらのネットカフェ難民やフリーターのなかには、大学を出た者も大勢いるということだ。

ところで、彼らの存在をどう考えるべきなのだろうか。価値観が多様化している社会のなかで、色々な生き方があってもいいじゃないか、という意見もあるだろう。だが古いタイプの人間である私は、世の中はそんなに甘くありませんよと、彼らにハッキリ言ってやることも必要なのではないかと思う。10代ならいざ知らず、30歳、40歳になってもある程度の専門的知識を持たないで、誰にでも容易に出来るアルバイトだけで生活する、また、バイト先では年下の人間にこき使われるというのは、どう考えても社会的に不自然であるような気がする。

大変失礼かもしれないが、このような生活を良しとするネットカフェ難民やフリーターに、将来にチャンスがあるとはどう考えても思えない。ある程度の専門的技術を身につけるために、勉強したり、訓練したりすることがまず必要なのではないだろうか。

ネットカフェ難民やフリーターという言葉が、一種の流行になり、そうなることが恰好悪いどころか、ファションとしてイケてると多くの人が考えてしまう。マスコミなども、彼らの存在を面白おかしく紹介するだけで、そういう生き方は、今はいいかもしれないが、将来困りますよとハッキリ言わなければならないと思う。それが大人の責任ではないだろうか。

随分偉そうなことを言ってしまったが、私は私なりに必死で生きているつもりだ。これまでの少ない人生経験でこれだけは言えるということがあるとすれば、それは、世の中は甘くないということだろうと思う。楽をして少しでもいい生活をしたいと思うのは人情であるが、この夢のような話を叶えられるのは、本当に一握りの、ラッキーの星の下に生まれた人間だけだろう。自分がその一握りの人間だなどとは決して考えないことだ。

話は変わるが、昨日新宿を歩いていたら、ホットパンツ(今はそう言わないのかな?)のような、膝上10センチ位の短いパンツで歩いている女性を何人か見かけた。どの女性もスタイルがいい。この秋の流行なのだろうか。夕方になり、無性に旨い焼鳥が食べたくなり、紀伊国屋の裏手にある「鳥源」の暖簾をくぐった(写真)。焼鳥6本とビール一杯、熱燗一合を軽く飲み、30分くらいで出てきた。時計を見るとまだ6時で、赤ら顔のオジサンは再び一人で新宿の雑踏に消えた。


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蝶々

karubiさん、こんばんは~。

最近、古代ローマの本を読んでいるのですが、人口が約120万人。
そのうちの1000人くらいが富裕階級。中流はほとんどなく、小作人の貧農・
解放奴隷・奴隷と人口の半分以上が、国に扶養されているような極貧状態だったそうです。古代ローマは、属州からの搾取によって、たいへん豊かな国でしたので、そんな風になりたっていたようですね。

ローマ時代に例えると、フリーターは扶養奴隷、ネットカフェ難民は解放奴隷。karubiさんは、騎士階級の人かな。
・・・で、私は?宮廷画家の座を狙う、解放奴隷ってとこですかね?

格差社会って言うけれど、現代は筋書きの読める人生行路しか歩めない分面白みがない、ちょっと格差社会。

ローマ時代は、ものすごい格差ですが、何が起こるかわからない分、スゴそうです。
by 蝶々 (2007-10-09 20:39) 

karubi

蝶々さん、おはようございます。

ローマ時代、随分極端な社会だったのですね。
蝶々さんは立派な宮廷画家だと思いますが、私は決して
騎士階級ではなく、ローマの繁華街(そういうのがあったのか知りませんが)
を毎夜うろつく平凡な商人という感じだと思います。

この前も書いたことですが、今は社会が制度、装置としてガッチリ出来
上がっていますから、なかなか若い力でこれを破壊することは難しい
時代なのだと思います。だから、一旦、フリーターとかネットカフェ難民と
いう装置の中に入ってしまうと、ここから脱出するのは容易なことでは
なくなってしまう。いつか何とかなるということは無いに等しい。
このことを私は、彼らにはチャンスがないと表現しました。

さて、今日夕方の便でベトナムに行ってきます。14日に戻る予定です。
ベトナムなので、ブログ更新出来るかどうかわかりませんが、チャレンジ
はしてみようと思います。アオザイのベトナム美人に出会えるといいの
ですが。

karubi
by karubi (2007-10-10 10:00) 

蝶々

今日からベトナムだ~と思っていましたが、夕方のご出発なんですね。
お気をつけて行って来て下さいね!

ローマには、繁華街はもちろん、今で言うスーパー銭湯のような大衆浴場まであったようです。私は、どっこも行く所がないので、タイムトラベルにでも出掛けますーー;
by 蝶々 (2007-10-10 12:31) 

karubi

グッドタイミングです。
これから成田エクスプレスに乗るために新宿に行くところです。
ハノイは最高気温32度前後なので、半袖のシャツを持っていきます。

ところで、良狗は元気にやってますか。
私はこの頃散歩で歩いている柴犬を見ては、良狗に似ていないか
顔を覗き込んでいます。また良狗と遊びたいですね。

それでは行ってきます。

karubi
by karubi (2007-10-10 13:21) 

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