人は外見で判断します、三浦和義さん。

ロス疑惑はとうの昔に終わった話かと思っていたが、まだ終わっていなかった。あまりにも有名な事件なので私がここでとやかく説明する必要はないと思うが、ロス疑惑とは、ロサンゼルスで三浦和義容疑者の妻一美さんが銃撃され死亡したのは、三浦容疑者が第三者に妻の殺害を依頼したものではないかと司法の場で争われていた事件で、日本では平成15年、最高裁で三浦容疑者の無罪が確定していた。これですべてが決着したと誰もが思っていたから、今回の件は「今頃、何故?」という感じであった。

日本と異なりアメリカには殺人罪については時効がないのだそうだ。かといって、毎日この手の殺人事件が頻発しているアメリカにおいて、ロス疑惑だけを27年間警察が捜査していたとは常識的には考えにくい。普通に考えれば、三浦容疑者を殺人罪で逮捕する相当有力な証拠が見つかったので、逮捕に踏み切ったに違いない。

今だから言うのはおかしかもしれないが、事件当時から私は、彼は本当のことを言っていないのではないかと疑っていた。何か証拠があってそう思ったのではなく、彼の顔立ち、表情の作り方、喋り方、仕草とかそういう外見的なものを根拠としてそう思ったのである。ハッキリ言うと、私は生理的に彼が嫌だった。三浦容疑者のように、表情を大袈裟に作り、軽い感じのノリで早口で喋り、物事を誇張して話をするような人間は、私の人生経験からいうとウソをつく典型的な人間だったのだ。

先日テレビを見ていたら、一美さんが銃弾に倒れた後の三浦容疑者へのインタヴューで彼は「一美、一美と100回も200回も叫びました。」と涙ながらに語る様子が放映されていた。また、何年か前、コンビニで窃盗した容疑で彼は逮捕されたが、事件後、同じコンビニに来た三浦容疑者に対して店員があのようなこと(窃盗)をされては困りますと言ったら彼は「あのときはお金を払うのを忘れちゃったんだ」と白々しく答えていた。店の防犯ビデオがこのやり取りを録画していた。100回とか200回とか物事を極端に大袈裟に言ったり、コンビニで子供だましの言い訳をしたり、とにかくこの男は信用できないと私は思っていた。

人を外見で判断してはいけないとよく言うが、私は人を外見で判断することは必要なことだと思っている。外見というと、第一に身につけている服装のことがある。ブランド品を身につける必要は全くないと思うが、身だしなみを整えることは必要だと思う。男性で言えば、背広が皺くちゃだったり、靴が汚れていたりというのはいただけない。正直言うと、身だしなみがきちんとしていない人を見ると人間までだらしないように私は思ってしまう。外見の第二は、その人の顔の表情、喋り方、態度、仕草などのことを言う。生意気なことを言わせてもらえば、その人の心とか精神のことはすべて顔の表情、喋り方、態度、仕草などに現れるのではないかと思う。社会生活を積み重ねてくると、そういう第二の外見を観察しているだけでその人の人となりがある程度見極めがつくようになるものだ。

偉そうなことをいったが、私自身も周囲から外見を注意深く観察されていることだろうと思う。第二の外見というのは無意識のうちに出るものであるから怖い。身体も鍛えなければならないが、それ以上に精神のほうも鍛えなければならない、ということだろうと思う。

さて、SO-NETブログのメンテナンスが長かったので久しぶりの更新である。毎日のように記事を書いていると習慣化するものである。ところで昨日、太宰治の『人間失格』が最近、若者の間で多く読まれているというニュースを見た。その理由の一つは、彼の文体がブログ調で親しみがあるということだった。『人間失格』はもともと日記であるからそうなるのは当然としても、なるほど他の作品も自虐的な日記調のものが多いかもしれない。つまり、太宰治は元祖ブロガーなのである。

写真はもんじゃ焼の月島方面。私のいる会社のビルから撮ったもの。

コメント 2

何だか見抜かれているようで怖いですね。
太宰治は、高校生の時にすべての作品を読破しました。
感受性の強い思春期に読んだので、なんにもやる気が起こらなくなって、
学校に行かなくなりました。
デカダンスな青春時代の思い出です。
by 蝶々 (2008-02-28 03:10) 

蝶々さん、ご無沙汰でした。
東京はまだ寒いですが名古屋はいかがですか。
蝶々さん文学少女だったんですね。
太宰治に限らず、文学は読む年齢や時代によって
読み手の感じ方が異なってきますね。
「「恥の多い生涯を送って来ました」(「人間失格」)は
私自身もそうかなと思います。

karubi
by karubi (2008-02-28 06:06)