SSブログ

ヘキサゴンの羞恥心、心の病はあるのか。 [BOOKS]

250b616c.jpg今年の株主総会を昨日無事終えた。総会を取り仕切る責任者としていつもより時間はかかったにせよ、大きな混乱なく総会を終わらせることができてほっとした。その打ち上げで昨夜は銀座、六本木そしてまた銀座に戻り、結局4軒ハシゴして、へべれけになって家に戻ったのは午前4時過ぎだった。久しぶりの午前様であるが、その割には今日は体調がいい。今夜もどこかでまた一杯やれそうな感じである。

さて、島田紳助が司会を務めるバラエティー番組に「ヘキサゴン」というのがあって、気に入ってこの頃よく見ている。この番組の魅力は何といっても回答者の想像を絶する珍回答にある。2週間前の放送だったと記憶しているが、こんな珍回答があって大声を出して笑い転げてしまった。質問「本州と九州の間にある海峡は、「下関」と「門司」の地名に因(ちな)んで何海峡というでしょう。回答者「ドーバー海峡!」。ドーバー海峡のどこが「下関」と「門司」に因んでいるのかわからないが、さらに面白いことは正解が「関門海峡」と告げられても、回答者が依然としてよくわかっていないことである。

「ヘキサゴン」の面白さの本質は回答者の「素」「天然」というところにある。漫才などのように予め準備されて「作られた」ものとは違う臨場感のある「本物」の馬鹿さ加減が爆笑を誘うのだろうと思う。大変失礼であるが、この番組に出て珍回答を連発するタレントさんにストレスや精神的苦痛を原因とした「心の病」が起こるのかなと思ったことがある。あまり細かいことを気にしたり、辛いことがあってもくよくよしたりするような感じには見えないからだ。見た目はそうでも心のほうはとてもデリケートなのかもしれないが、いずれにしろ、現代は「心の病」花盛りの時代になってしまった。

精神科医である中島潔さんが書かれた『「心の傷」言ったもの勝ち』という本は実に示唆に富む本である。中島さんは、被害者が過剰に保護され、加害者が一方的に断罪される現代社会を「被害者帝国主義」と命名している。いろいろな例を出して中島さんは「被害者帝国主義」の現代社会を浮き彫りにしているが、なかでも私も驚いたのが次の「事件」だ。

昨年4月、高崎経済大学の准教授が懲戒免職になった。この准教授が、大学2年生に対して大学院レベルの課題を与え、期限までに提出しなければ留年だと通告したところ、女子大生が自殺した、その責任を追及されてのことだった。女子大生は遺書を残していた。世間の同情は「被害者」である女子大生に集まり、「加害者」である大学准教授は「悪者」として世間の指弾を浴びた。この事件について中島さんは、期限は最初から決まっていることで、それを守らなければ留年だってあることは当然のことであるから、大学の准教授は女子大生が自殺したからといって懲戒免職にされることはないと主張する。私もそう思う。

会社でも「適応障害」といって、「うつ病」のようになって出勤できなくなる社員がいる。厳しい上司に叱られて落ち込んだり、職場環境が変わったときに馴染めなかったりして、職場に来られなくなるのである。こういう「被害者」は中島さんによると病院に来てすぐ「自宅での加療を要す」という診断書を書いてくれと言うのだそうだ。中島さんは気骨あるお医者さんであるから、なんでもかんでも患者のいいなりになってそのような診断書を出すことはないそうであるが、いずれにしろ、自分は精神的な「被害者」であると安易に自ら決めつける人間のなんと多いことだろうか。

社会的弱者というものは確かにあるのだろうと思う。しかしながら現代社会は昔と比べて弱者の基準、レベルが格段に低くなっているような気がする。つまり、誰でも彼でもなろうと思えばいつでも弱者になれる。自殺した女子大生もこの弱者であろうし、上司に叱られて出社拒否する社員も弱者であろう。こういう弱者に対して世間があまりにも好意的であるところに、弱者が保護され、強者(加害者)が不当に非難される素地があるのではないかと思う。オルテガは、現代社会は愚かな大衆によって支配されていることを説いたが、進んで今の社会は、愚かな大衆をさらに愚かにする権力ある弱者がはびこる、異様な大衆社会になっているような気がする。

写真、自殺した川田亜子さんも適応障害だったという話である。

nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 4

はじめまして。

karubi さん、こんばんは。

はじめまして!工場長(会社でのニックネームです)と申します。

「銀座」「夜の蝶」のキーワードで検索したら
karubi さんのブログに出会ってしまいました。

時事ネタあり、芸能ネタあり、本の感想あり、酒場の情報あり。
とにかく、いろんなジャンルについて、冷静にアカデミックに
考察されていて、好奇心旺盛というか、
きっと引き出しがいっぱいなんだな~と。面白い方だな~と。
・・・ついブックマークしちゃいました(笑)

私は汐留で働く、お局OLです。
その傍ら、20年続く銀座の小さなクラブのオーナーも
やっております。すごいでしょ???
正確に申しますと、年老いたオーナー(親戚)に
どうしても、と頼まれて。オーナー代理を。。。
「銀座」「夜の蝶」のキーワードで検索していたのは
つまり、夜の銀座を勉強するため、だったのでした。
それにしても「夜の蝶」なんて、古過ぎますよね(笑)

今回のブログに「心の病」について書かれてありましたが
先日、私の勤める会社でも、仕事中にプッツン(古っ)された方が
いらっしゃって、正直怖かったです。
目はうつろ、突然ズボンのベルトをはずし、ファスナーを全開にし、
ブツブツと意味不明の言葉を口にしながら、フロア中を行ったり来たり。
なぜかズボンがズリ落ちる事はありませんでしたが
その方は、やはり「うつ病」と診断されたようです。

私も「夜の銀座」に適応できるか不安なのですが、
いつか銀座でお会いできる日を♪♪

また、お邪魔します。
by はじめまして。 (2008-06-29 21:24) 

karubi

工場長さん、はじめまして(オーナー代理さんのほうがいいでしょうか?)。
コメントいただき、ありがとうございます。
私のブログ、「銀座」と「夜の蝶」でヒットするんですね。
実は先日、8丁目にある某クラブのママさんが、銀座と何とかで
検索していたら私のブログがヒットしたと言って喜んでいました。
その方は新米ママさんで、銀座のことをいろいろ勉強しようと思って、
パソコンに向かっていたそうです。

私の書く記事はかなりいい加減です。ただ、社会人、ビジネスマンを
25年間やってきたことは大きなベースになっているとは思いますね。
年の功、とうのはやっぱりあると思いますね。オジサンの存在感、
大切にしていきたいと思ってます。

「心の病」に罹った社員、今も一人います。それまではとても元気
だったのに、あることをキッカケに急に会社に来なくなってしまいました。
よくそういう社員に向かって「がんばれ」と励ましてはいけないと言い
ますが、中島先生は必ずしもそんなことはないと言っています。
いずれにしろ、「心の病」から抜け出すのは最後は本人の力だそうです。

オーナー代理さんのブログ拝見いたしました。ソワレド銀座ビル、あまり
にも銀座では有名ですね。金曜日は私もこのあたりをうろうろしてました。
今度機会がありましたら、寄らせてもらいますね。
そのときはよろしくお願いします。

karubi
by karubi (2008-06-29 22:28) 

工場長

早速お返事ありがとーございます。嬉しー♪
私がモタモタとコメントを書いてる間に
karubiさんが、ブログを更新されていたので
もしや!と思って、再訪問させていただきました!

でも、店には来ないで!!!
なんつって、嘘です。
基本的には、OLですから現場(店)にいない日も多いので
もし、立ち寄って下さる場合には、ウチのブログに記載している
連絡先にご連絡下さい。

・・・だって、お会いしたいじゃないですか。もじもじ。。。
だから、連絡先を携帯に登録しておいて下さい!!
宜しくお願いします。

by 工場長 (2008-06-29 22:40) 

karubi

工場長さん、再訪ありがとうございます。
お店におうかがいするときは事前に連絡させていただきますので、
ご心配なく。

雨の日曜日ですが、早く梅雨が明けてほどほどに暑い夏が
早く来てほしいところです。

karubi
by karubi (2008-06-29 22:57) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。