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ダイエット、ダイエット、精神までダイエットになりますよ。 [芸術]

DSC_0049.JPG洋画家の野見山暁冶さんが描いた絵を、アート・ディレクターである中島竜志さんがステンドグラスの作品にした「いつかは会える」という作品が、今月オープンした地下鉄副都心線の明治神宮前駅の壁面に飾られている。そのことを今日放送された新日曜美術館で知った私は、さっそく初めての副都心線に乗ってその作品を観てきた(写真、縦3m、横10m)。こういうミーハーな行動を取るのは私だけかなと思っていたら、立派なデジタル一眼レフを持った中年の方が既に二人いらっしゃっていて、パチパチとシャッターを切っていた。ところで、放送の最後で野見山さんは次のようなことを言われて印象に残った。「人は一体なぜ絵を描くのかよくわからない。でももっとわからないのは、その絵を、大枚をはたいて買う人がいることだ」。

酒場詩人・吉田類さんのDVD「酒場放浪記 其の壱」を買ってきてさっそく観た。このDVDは、BS-iの人気番組であった「吉田類の酒場放浪記」で放送されたもののうちから、特に好評だったものを収録したものだ。「其の壱」では、都内の古き良き大衆居酒屋13軒が紹介されている。吉田さんはどの店でもよく飲み、そしてよく食べる。酒はホッビー、日本酒を主に飲み、肴はその店おすすめの料理、例えば煮込み、刺し盛り、マグロのぬたなどを豪快に平らげる。興が乗ってくると吉田さんは周りのお客さんと乾杯をはじめる。そうこうしているうちに、周りのお客さんからしっかり「おすそ分け」までいただいている。吉田流の酒場エンジョイ術のようなものかもしれない。

ところで、DVDを観ていてあることに気がついた。寒い時には熱燗、暑いときには生ビールを最初に吉田さんは注文する。酒の肴はその酒にあったものを基本的に選んでいる。当然と言えば当然のことなのかもしれないが、こういう飲み物に対する欲求、食べ物に対する欲求というのは、人間の身体の中から「必要があって」出ている信号のようなものではないかと思ったのである。

番組をご存知の方は承知されていると思うが、吉田さんは一晩一軒で終わることは決してない。2軒、3軒と大衆酒場のハシゴをするのである。そんなに飲んだり、食べたりしていると太ってしまうのではないかと心配される方がいらっしゃるかもしれないが、吉田さんは背が高くて中肉中背のジェントルマンという感じのオジサンなのである。そして、へべれけになって酒場を出た後は決まって、得意の俳句を一句ひねるという粋なことまでやってしまうのである。

ダイエットとかメタボ対策とか、飲んだり食べたりすることを人為的に制限することが本当にいいことなのかと思うことがある。酔っ払って疲れた朝にビタミンの多いジュースを飲みたくなったり、ときには精力をつけなければと焼肉やレバニラ炒めを食べたくなったり、残業が続いて疲れたときには甘いケーキを食べたくなったり、何かを飲みたくなったり、食べたくなったりするのは、想像するに、身体のバランスを維持するために身体が「そろそろ○○がほしいよ」という信号を出しているということなのではないかという気がするのである。だから、そういう信号が出ているにもかかわらず、ダイエットやメタボ対策のためという理由だけで「これを飲んではいけません」「あれを飲んではいけません」というのは、何となく、自然の摂理に反することをしているように感じることがある。

といっても、何事も程度問題というのがある。さすがに毎日焼肉では身体が参ってしまうだろうし、ダイエットの対極にある大食いというのもダイエットと逆の意味で如何なものかと思う。テレビでギャル曽根さんの大食いを見ていると、彼女の身体から「もうそんなに食べ物はいらないよ」という悲鳴が画面を通して聞こえてきそうである。まあ、結局、飲むことも食べることも自然体でいくということがいいのかもしれない。ダイエット、ダイエットとこればかりやっていると、人間の感情とか感性とか情緒とかいう精神的な部分までダイエットされてしまうような気がする。

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