赤福の完全復活、景気のほうも完全復活してもらわんと。

大阪は朝からギラギラと暑い。淀屋橋のホテルからは地下鉄御堂筋線で梅田まではすぐなのであるが、あまりに暑いのでタクシーで阪急梅田駅に向かった。無味乾燥なホテルの朝食バイキングは避け、梅田新食道街にあるうどん屋で大阪名物きつねうどんを食べた。サービスで置いてある天かすを少しかけ、甘さが程よくしみ込んだ大きな揚げと一緒に一気にうどんをかきこんだ。

大阪空港までは阪急宝塚線に乗って蛍池駅まで行き、そこでモノレールに乗り換える。都合30分もみておけば余裕で着く。何年か前に来た時に、大阪空港内の食堂で長嶋茂雄さんを見かけた。病気で倒れる前のことで、白いスーツに身を包みとてもダンディーだった。さて、搭乗手続きをする直前に伊勢の赤福餅を土産屋で買うことにしている。昨年不祥事があって一時製造を中止していたが、いまは完全復活している(写真)。ということで、今回も8個入り700円の赤福を買ってリュックサックに押し込んだ。

たまに一人旅をしてつくづく感じることは、自分の知らない日本が無限にあるということだ。海外もいいが、日本にもまだまだ見るところはある。よく「自分探し旅」という表現があるが、旅をして自分のことがわかるということはありえない。自分自身を知る唯一の手段は他人から自分の評価をたくさん聞くことしか理論的にありえないからである。旅にあまり多くのことを期待しない、それが旅の基本姿勢のような気がする。

さて、大阪でタクシーの運転手さんから東京の景気はどうですかと聞かれた。大阪は景気が悪いが東京はどうですかということらしい。私は東京も景気はよくないと思いますと答えた。そこそこいいのは一部の大企業だけで、中小、零細企業は大変苦労しているのが実情で、日本全国どこも同じような状況ではないでしょうかと話をした。かなり年配の運転手さんであったが、いろいろ話をしているうちに意気投合し、安全運転のほうは大丈夫かなと思うくらい、日頃のうっぷんをぶちまけるかのように、その運転手さんは喋りはじめた。

景気が良くないのは、強い者だけが勝てばよいという考え方が徹底されはじめているからではないかという気がする。確かに資本主義というものは強い者が勝ち、弱い者が負ける弱肉強食の世界である。そのシステムをわれわれは選択してある程度成功も収めてきた。映画三丁目の夕日のような時代は、強い者も弱い者もどちらもそれなりに成長できた時代だったと思うし、実は今よりもずっと強い者と弱い者がお互い協力し合いながら共存共栄を果たしてきた時代だったのではないかと思う。「金儲け悪いことですか」と叫んで自分だけが儲ければいい、あとのことはどうなっても知らないといった経営者は三丁目の夕日の時代にはいなかったのではないかと思う。弱い者に富の再分配をして活性化を図らなければ、景気の回復はないような気がする。

話は橋下知事のことにも及んだ。橋下知事の行おうとしている改革(「大阪維新」)の考え方を私は支持するが、どんなことにも進め方と程度問題というものがある。一気呵成に成果を求めようとすると、いわゆる抵抗勢力の存在などがあってなかなか思うように進まないものである。行政やビジネスの世界での経験がない橋下知事はそのあたりの認識があまりなかったかもしれない。ギューギュー締め付けるような橋下知事のやり方に運転手さんはどうも反対のようで「お客さん、ボルトとナットだって多少「遊び」があるほうが上手く入るものです。「遊び」の部分も残さないとなかなか上手くいきません」とさすが大阪の方らしいわかりやすい喩えである。

さて、今日も夜がやってきた。まだまだ暑いけど、今夜は中野駅あたりで一杯やることにしよう。それでは。

コメント 2

karubiさん、おはようございます。
大阪にご旅行だったんですね。食い倒れならぬ、飲み倒れになるところでしたね＾＾さすがに、大阪は安くてうまい店がいろいろありますね。
今年の夏も本当に暑くなりそうですが、お体には気をつけて。
読んでいると、またkarubiさんと飲みたくなりました＾＾


by 蝶々 (2008-07-20 09:08) 

蝶々さん、こんばんは。
東京も大阪も名古屋も、北海道以外全部暑い感じですね。
私は23日から北海道出張で少し涼んできます。
大阪、楽しいところですね。居酒屋に一人で行って、地元の
方が地元の言葉でいろいろ話しをしているのを聞くのが好きなんです。
また蝶々さんと久しぶりに飲みたいですね。
東京もいいけど、柴犬たちにも会いたいので名古屋もいいかな。

karubi
by karubi (2008-07-20 20:51)