SSブログ

女スパイ、禁断の欲望、でも最後はゲロしました。 [映画]

lust460.jpg人の懐具合を云々言うのはみっともないことかもしれないが、それにしてもリーマンブラザーズ日本法人社員約1300人の平均年収が4000万円という報道にはさすがに驚いた。私の記憶が正しければ、上場企業の社長の平均年収は約2700万円であるから、リーマン社員はいかに高給取りだったかがわかる。こういう数字を聞いてしまうと、金融機関、証券会社を必死になって救済することが果たして理屈に合うことなのかどうか、首を傾げたくなる。

さて、3年くらい前のことだったと思うが、イギリスで元ロシア人スパイが毒殺された事件があった。スパイは007シリーズやスパイ大作戦など、映画やテレビだけのお話かと思っていたが、そうではないことをこの事件は教えてくれた。昨年のヴェネチア映画祭で金獅子賞を獲得した「LUST CAUTION」を遅ればせながら観た。日本占領下の上海で抗日運動に身を投じた女スパイ、ワン(タン・ウェイ)の生涯を描いた映画で、ワンが殺害の標的としたイー(トニー・レオン)との愛欲シーン(写真、AV映画並みのエロさです)と衝撃的なラストシーンは見応えがあった。

日本にも戦前、陸軍中野学校というスパイ養成機関があった。この陸軍中野学校を舞台にしたスパイ映画が、市川雷蔵主演で5本作られた「陸軍中野学校シリーズ」である。陸軍中野学校は文字どおり、東京都中野区中野4丁目のあたりにあった。現在でいうと新しく建設された東京警察病院の周辺になるが、このすぐ近くに現在私は住んでいる。そんなことから私はこの日本製スパイ映画に親近感のようなものを覚えている。

5本のうち私の一押しは第1作、その名も「陸軍中野学校」である。共演女優は小川真由美で、小川は雷蔵演じる三好少尉の婚約者の役であるが、小川は紆余曲折を経てイギリス諜報機関の手先(スパイ)になってしまう。このままでは憲兵隊に捕まって厳しい拷問を受ける可能性が高いと判断した三好は、自らの手で婚約者である小川を殺すことを決意する。この映画の監督は「卍」「痴人の愛」など多くの官能的な作品を撮り続けた増村保造である。だからだと思うが、デヴュー間もない小川真由美の見事な肢体が眩しかった。

『スパイのためのハンドブック』というその方面では結構知られた本がある。著者はドイツ生まれで、戦後イスラエル軍に入隊して実際にエジプトでスパイ活動に携わったことのある元プロで、この本は彼が書いたいわばスパイ指南書である。この本の中で彼は、もし敵国に捕まってしまったら、スパイは自分の身分を絶対明かしてはならないとかよくいわれるが、実際は厳しい拷問を受けるとどんなスパイでも下呂してしまうもので、沈黙を守り通すことは不可能だと指摘している。

「LUST CAUTION」でも、ワンを始めとする抗日運動メンバーは、最後は捕まってあっさり自白してしまうのだが、私が?と思ったことが一つある。ワンは組織のリーダーから事前に、もし敵に捕まりそうになったらこれを飲んで自害するようにと、カプセル入りの劇薬を渡されていた。捕まる直前、ワンは当然このカプセルを一気に飲んで自害するものだと思って私は観ていたのだが、そうしなかったのだ。どうしてそうしなかったのか、そこだけがなんとなくスッキリしなかった。この映画を観た方でこの辺の事情、解釈についてご存知の方、教えてください。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。