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エロビデオの申告は自己責任でお願いします。 [新宿]

IMG_0611.JPG午後5時前、成田到着。新宿まではもちろん成田エクスプレスを利用する。コートを持っていなのでタクシーに乗ってすぐ家に帰ればよいのだが、光り輝く新宿のネオンを目の当たりにすると、どうしてもしばらく漂っていたくなる。「あー、帰ってきた。」。そんな感じがしてほっとする。私にとっては誰がなんと言おうと、新宿が東京のふるさとである。

新宿の思い出は大学受験のときに遡る。一浪して後がなく、国立がダメだったときは東京の私立に行こうと思っていた私は、厳冬の2月、北海道からやぼったいダッフルコートを着て東京にやってきた。受験パックという割安の旅行商品を利用して、新宿に来たのだ。何故かというと、新宿プリンスホテルが指定されたホテルだったからである。

現役で大学に入学した悪友がホテルに遊びに来ることになっていた。激励というのがその目的だと言っていたが、今思うと、最初から飲むつもりだったのだ。明日受験を控えていた私は最後の追い込みに余念がなかったが、約束の時刻になり、奴は予定どおりにやってきた。それもかわいい女性を連れて(彼の当時の彼女だった)。「着替えて、飲みに行こうぜ」「はっ?」。「勘弁してくれよ。明日試験だぜ」「少しくらいだったら大丈夫だよ。前祝い、前祝い」。「で、どこに行くつもりなの?」「歌舞伎町。すぐそこだよ」。

これが私の歌舞伎町デビュー戦になった。正直言うと、かわいい彼女と一緒に飲んでみたいというスケベ心があったのかもしれない。一年間予備校で自分なりに必死に勉強してきたことが、歌舞伎町の一夜で台無しになるかもしれない、そのとき冷静にそう思い心の葛藤があったか否か、今は覚えていない。で、結局、飲んでしまった。奴は大学生活で酒の飲み方を覚えていたが、こっちは浪人生で酒の加減なんて全くわからない。案の定、飲み過ぎて気持ち悪くなった。顔も唐辛子のように赤い。奴ら(彼女も含む)は「まだ若いね。早く君も大学生になろうね」といった優越感に満ちた顔で私を見ていたが、今夜はやはり断るべきだった、飲んだ後、後悔の念が走った。

翌朝、日吉で行われた試験に二日酔いで臨んだ。顔は赤く腫れているし、なによりも酒臭い。もし不合格になっても、奴らのせいにはできない。なぜなら、断らなかった自分が悪いのだから。でも、ちょっとだけ奴らのせいもある、そんなことをぐるぐる考えながら試験開始時刻までじっと待った。さて、結果からいうと、お陰様で合格した。だからこうやって笑い話として書けるわけだが、もし不合格だったらどうなっていただろう、そう考えるとぞっとする話ではある。

話は変わる。ブリスベンのHMVで15歳未満販売禁止のDVDを買った話を昨日書いたが、メカに詳しい方のなかには「オーストラリアのDVDは日本のブレーヤーでは再生できないはず」と指摘する方がいると思うが、確かにテレビに接続する普通のタイプのプレーヤーに入れると、このDVDは再生できない旨の表示がされる。かなり以前、シドニーでハードコアポルノのDVDを買ったときにもそういう現象が起きた(私も好きだね)。

でも今は方法がある。パソコンに標準インストールされているDVD再生プレーヤーであればオーストラリアで買ったDVDでも再生可能だ。ちなみに、今回買ったDVDは鞄の隅にこっそり入れて空港のセキュリティーチェックを受けたが問題なくパスした(鞄の隅にこっそり入れても真中に堂々と入れても関係ないのだが。要は、気持ちの問題)。つまり、DVD自体はセキュリティー上全く問題なく通過できるということだ。ただ、程度問題というのはあるだろうから、1枚か2枚くらいなら大丈夫だと思うが、10枚となるとさすがに怪しまれる可能性はあると思う。

以前書いた話で恐縮だが、DVDで思い出したので書いてみる。10年以上前、当時の上司と二人でハワイに出張したときの話だ。当時はまだDVDは一般的ではなく、VHSなどのビデオテープが主流の時代だった。ハワイという解放感も手伝って、帰国する前日、エロビデオを買おうということになり、エロビデオ専門店に行った。店の男性店員はスケベ日本人が葱をしょってやって来たという顔で見ていたが、結局、私は2本、エロ上司は3本購入することになった。DVDと違いビデオテープは大きくてかさばるので荷物になるのだが、とにかく早く観たい一心だったので、そんな懸念はそのとき完全に飛んでいた。

なんとかホノルル空港のセキュリティーを通過し(そもそも当時のセキュリティーは今のようにうるさくなかった)、これで日本に持ち込めるぞとニヤニヤしていたのだが、「事件」は成田空港に降り立った直後に起きた。「○○君、僕の鞄一杯なんだ。悪いけど、これ(ビデオテープでパンパンになった茶封筒)、君の鞄に入るかな?」と言って、ビデオテープが入っている茶封筒を私に差し出したのである。税関で見つかり没収されるかもしれない、そうこのエロ上司は考えたに違いない。私は事情をすぐ理解し「いいですよ」と言ってすでに膨れ上がっている私の鞄に無理やり押し込んだ。

税関はあっさりと通過した。ご存知の方も多いと思うが、成田空港の税関には多くの監視カメラが設置されていて帰国する乗客の様子を隈なくチェクしている。プロが見ると、怪しい人間はすぐわかるそうだ。どういう人間が怪しいのかといえば、挙動不審、キョロキョロして落着きがない、そういう感じの人だそうだ。逆に言えば、正々堂々と落ち着いていれば怪しまれることはないということだ。そのことを私は当時から知っていたので、エロビデオ合計5本を鞄に忍ばせながらも、淡々と申告なしと書かれた税関カウンターに向かったのである。

通関後、エロ上司はニコニコしながら私のところにやって来て「やー、○○君、ありがとう。じゃー、それくれる。僕観たら、すぐ君に回すから。そりじゃー、お疲れさーん」と言って、さっさと帰って行った。この一事をもって、私はこのエロ上司の全部を見た感じがした。このエロ上司のことがよく理解できて、私には実に有意義な海外出張となった。

写真左は新宿プリンスホテル。右が歌舞伎町。このホテルを毎日見るようなビジネスマン生活を送るとは、大学受験で来たときには全く想像できなかった。

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