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桜の森の満開の下、鬼が出てくるかも。 [高円寺]

IMGP0535.JPG今の会社に入って3年目くらいの頃の話。霞ヶ関にあった事務所に関係会社が一緒に入っていて、その会社に酒癖が悪いオジサンがいた。仕事中はいたって大人しい普通のサラリーマンなのだが、ひとたび酒が入ると別の人格が姿を現す。わめく、叫ぶ、暴言を吐く、暴力的になる、帰らない、とにかく手に負えないのだ。酒って人間をこんなに変えるものなのかなあ、彼の変身ぶりを見て初めてそう思ったものだ。

酒を飲んだ時の彼の言葉で印象に残っているものが一つだけある。「○○君ねえ、東京はとにかく人が多い。どうしてこんなに東京は人が多いのかなあ。」。そう言われても、私はどう答えてよいものかわからなかった。さて、人口のことであるが、ご存知のように、日本全体の人口はここ数年間1億2千7百万人台で、増減がほとんどない状態が続いている。ちなみに、今の人口の半分、つまり6千4百万人はいつ頃だったのか調べてみたら、1930年(昭和5年)、今から79年前だったことがわかった。

東京都の人口についても調べてみた。東京都の現在の人口は約1千3百万人。この人口の半分、つまり6.5百万人は1936年(昭和11年)、今から72年前からだったことがわかった。ところで、全国の人口が横ばいに推移しているなかで、東京都の人口はいまだに増え続けている。「どうしてこんなに東京は人が多いのかなあ」というオジサンの疑問はなかなか鋭いところを突いているかもしれない。

少子高齢化、人口問題を考えるときのキーワードであるが、高齢化に関し、世界一と言われる日本人の平均余命について調べてみた。現在の平均余命は女性86歳、男性79歳である。ちなみに、私が生まれた昭和35年の平均余命を調べてみたら、女性70歳、男性65歳と、今より女性は16歳、男性は14歳短かったことがわかった。

少子化の話をしだすと長くなるのでやらないが、高齢化に関して言うと、人間の平均余命は一体どこまで伸びるのかと思う。健康志向の強まりと医療の進歩、この両輪は人間を何歳まで生きられるようにするのだろうか。私なんかは、60歳くらいでパタンと行ってしまうような気がするし、それでいいと思っている。どうなのだろう、人間は長生きし過ぎではないだろうか。

平均して子供が二人、お爺ちゃん、お婆ちゃんは70歳までに死ぬ、こんなイメージで行くと世の中なにもかも上手く回って行くような気がする。私は子供二人のほうは貢献できないかもしれないが、70歳までにさようならのほうは貢献できるかもしれない。

さて、東京も桜が満開になった。といっても、桜の観測ポイントである靖国神社の桜が満開になっただけで、東京の桜全部が満開になったわけではない。私の住んでいるマンションの前にも大きな桜の木があって、ベランダに出て一枚撮ってみた(写真)。

桜というと気分はウキウキ、お花見でもしましょうということになるが、坂口安吾の「桜の森の満開の下」という寓話によると、お花見で盛り上がるというのは江戸時代以降のことで、それまでは、桜の満開の森の下は怖いところ、鬼が出るところだという言い伝えがあった。桜の時期になるとこの作品をいつも思いだす。それにしてもよく出来た作品だと思う。

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