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知りすぎて、秘密がなくなり、そして恋が終わる。 [銀座]

00000001.JPGムード歌謡のロス・インディオスが歌った「知りすぎたのね」という曲がある。
 知りすぎたのね あまりに私を
 知りすぎたのね 私のすべてを
 恋は終わりね 秘密がないから
映画では、ヒッチコック監督でジェームス・スチュアート、ドリス・デイが主演した「知りすぎていた男(The man who knew too much)」という洋画がある。今日は、どんなことでも「知りすぎる」というのは如何かなという話をしたい。

先日テレビを観ていたら、血液を採取してあるモノの長さを調べることによってその人の寿命が判明する、そんな内容の番組があった。あるモノとは「テロメア」と呼ばれる寿命をつかさどる物質で、このテロメアが長ければ長いほど寿命も長くなるらしい。このことを解明したアメリカの女性学者は今年、ノーベル医学賞を受賞した。

何人かの芸能人の血液を採取され、結果が番組で発表された。結果、つまり寿命宣告はいわば「死刑宣告」にも似ているから、最初はなんとなく気色悪いものを感じたが、バラエティー番組の軽いノリに負けて結局最後まで観てしまった。なかでもシリアスだったのは石田純一だった。55歳の彼は今年、33歳の東尾理子と結婚する予定だ。もしも彼の「テロメア」が短くてあと10年しか生きられなかったら、結婚すべきなのかどうか、私もドキドキして結果を見守った。

幸運にも、石田純一は100歳近くまで生きるという結果が出た。いずれにしろ、科学的手法で導き出された自分の寿命なんてものは知らないほうがいいと思う。世の中のために科学がもたらした功績は計り知れないし、そのことに感謝もするけれど、触らずにそっとしておく領域もあっていいと思う。「テロメア」の発見が医学の発展に資する部分は確かにあるのかもしれないが、寿命というあまりにもデリケートな領域に踏み込んでもらいたくなかった。

ちょっと話は変わるが、婚活花盛りである。なぜ婚活が人気になるのか。理由は簡単で、情報が多すぎるからである。情報とは、結婚したいと願う男性と女性に関する情報である。「きっといつか私の理想の男性(女性)に巡り会える」、今日紹介されて会った男性(女性)はダメだったが、明日会う男性(女性)は今日よりきっといいに違いない、もし明日がダメならまた明後日がある、こういう感じで理想の異性に出会うまで際限ない出会いが繰り返される。だから、婚活事業が流行るのである。

知らなくてもいいこと、知らないほうがいいこと、そんなことが世の中には結構あるような気がする。情報過多、科学の進歩はひょっとしたら想像以上に人間を苦しめているかもしれない。どんなことも「知りすぎないこと」、これが大切なことのように思う(冒頭の曲「知りすぎたのね」の3行目、恋は終わりね 秘密がないから、逆さまに読むと、秘密があるから 恋は終わらない、なかにし礼は流石だ)。

さて、明日から札幌出張。今年の初出張。素直に今日は帰ろうと思ったが、部下が一杯やりたそうな目をしていたので、意を汲んで彼らを誘い築地の焼鳥屋で一杯。それから一人銀座を散策(写真)。でも、本当に飲みたかったのは私自身だったような気がする。

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