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幸せってなんだっけ、なんだっけ、それは、とりあえずこれでいいかと思うこと。 [BOOKS]

DSC_0161.JPG新宿のビックカメラで、新しいデジカメを買ってきた。今使っているキャノンのデジカメも十分使えるが、ずっと使っているとどうしても飽きがくる。使えるのに新しいデジカメを買うことは贅沢なことかもしれないが、思い切って買うことにした。

何度もここで書いてきたが、飽きる、というのは人間のもっとも基本的な性質のような気がする。多少話は飛躍するかもしれないが、不況で国民は摂生生活を続けているが、忍耐生活にも限度があって、どこかで欲求不満が爆発するのではないかと思う。

今の時代をどう生き残っていくべきなのか、精神科医の香山リカさんが著した『しがみつかない生き方』はいい処方箋になるような気がする。香山さんはこの本で、自己啓発本なんかに踊らされないこと、高望みをせず、とりあえずこんな感じていいじゃないかと思ってそこそこの幸せで満足すること、そんなことをアドバイスしている。

香山さんはこの本の最後で、ベストセラーを連発している勝間和代さんを痛烈に批判している。ご存知のように勝間さんは、「努力をすれば必ず成功する」式の自己啓発本をたくさん書いているが、その本どおりに人生を変えられる人はほとんどいないと香山さんは指摘する。私もまったく同感で、香山さんと同じような批判をすでに1年半前にここで書いていた(http://karubi53.blog.so-net.ne.jp/2008-05-29、文中「売れっ子の主婦評論家」というのが勝間さんのこと)。

さて、この本から面白い話を一つ。1990年代、香山さんの診察室には、普通の幸せを手に入れているのに「もっと自分は幸せになれるはず」と、客観的な幸せと主観的な幸せのズレに悩む患者が多く訪れた。2000年代に入ると、とりあえず普通の幸せを手に入れたが、この幸せは一体いつまで続くのだろう、そんな不安を相談しに来る患者が増えた。そして現代、香山さんの診察室には、どうしたら普通の幸せを手に入れられるのか、一体幸せってなんなのですか、そんな訴えをする患者が来るようになったという。

明石家さんまのテレビコマーシャルではないが「幸せってなんだっけ、なんだっけ」と、幸せの意味を考え始めている人が増えているということらしい。そういう時代は不幸な時代に違いない。経済がどんどん発展していた「三丁目の夕日」の時代には、幸福の意味なんて考える必要がなかったろうし、そんな暇もなかったに違いない。昨日、ヤフーニュースを見ていたら、新成人の8割が、これからの日本の将来は暗いと答えたそうだ。何とも悲惨な状況ではないか。政治に期待できない今、我々はちょっとした工夫と忍耐力を持って、嵐の過ぎるのを待つしかないようだ。

写真は新宿駅西口のあるユニクロ。デフレ経済の象徴とされるユニクロであるが、消費者は助かっていることも事実である。

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