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国技というより、国偽ですね。 [時事]

ai-tominaga-pua-indah-n04.jpgもう20年くらい前の話なので時効だから話してかまわないと思うけど、当時、大相撲の賭けをしていた社員がいた。「胴元」は別の会社で、毎日の星取表の結果で参加者をランク付けし(参加者は毎日、対戦表でどちらの力士が勝つか予想する。)、千秋楽が終わると最終ランキングが確定して、それに応じて配当が支払われるといったシステムだった。

そんなあるとき、「事件」が起きた。この「賭博」に参加していたある部長さんが酔っぱらって電車に乗り、うっかり鞄を車内に忘れてしまった。幸運にもその鞄は警察に届けられたのだが、まずいことに、その鞄の中に「賭博」の星取表が入っていたのだ。警察から詳しく事情を聞かれ、怖くなったその部長さんはすぐに賭博のことを「ゲロ」してしまった。会社にも警察から連絡があり、その部長さんは会社から厳しい処分を受けたようだった。

さて、大相撲の野球賭博問題で、協会が設置した「特別調査委員会」は昨日、賭博に関与した力士、親方などの処分勧告を行った。琴光喜関、大嶽親方、時津風親方の3名に「懲戒」、琴光喜関ら15力士に名古屋場所出場自粛(「謹慎」)、武蔵川理事長ら親方12人に「謹慎」の勧告を行い、大嶽親方については「除名」か「解雇」が妥当とした。また、これらの処分勧告を日本相撲協会が受け入れた場合、「名古屋場所は開催可能」とした。

一般の方に、「懲戒」とか「謹慎(きんしん)」という言葉の示すものが具体的にどんなものなのか、あまり馴染みがないかもしれない。私はたまたま会社で総務部門も担当しているので、これらの言葉の意味するところは了解しているつもりであるが、よくよく調べてみると、日本相撲協会の規定は一般企業のものと異なる部分が少しあることがわかった。

一般企業では、「懲戒」というのは、「譴責(けんせき)」「減給」「謹慎(きんしん)」「懲戒解雇」など、問題を起こした社員に対する会社としての正式な処分の「総称」として、就業規則などに規定されている。このうち「謹慎(きんしん)というのは、私の会社の例で言うと「始末書を提出させ、10日以内の出勤を停止すること。」とある。

一方、日本相撲協会の規定には、「懲戒」のなかに「謹慎(きんしん)」の規定がない。したがって、特別調査委員会が勧告した「謹慎(きんしん)」処分は、日本相撲協会の規定にない処分を勧告したことになる。この行為自体は「越権行為」で問題ありと批判する法律専門家もいる。また、「懲戒」が相当と勧告された琴光喜関、大嶽親方、時津風親方の3名のうち、大嶽親方についてだけ「除名」か「解雇」が妥当として特別に言及しておきながら、琴光喜関、時津風親方の2名については日本相撲協会に具体的処分は「お任せ」ということにした。ちなみに、日本相撲協会が規定する「懲戒」には、「譴責(けんせき)」「減給」「出場停止」「解雇」などがあり、日本相撲協会がどう対応するのか注目されるところだ。

もう一点私が指摘したのが、特別調査委員会の勧告を日本相撲協会が受け入れたなら「名古屋場所は開催可能」という点だ。うがった見方をすれば、「名古屋場所開催が前提」の処分勧告だったという臭いがする。もし開催できなければ賭博に関係していない力士がかわいそうという声もあるが、高校野球だって、部員の誰かが校則を破って喫煙しただけで、決まっていた甲子園出場を辞退するのだから、それに比べると数段も「悪質」に思われる今回の事態では、開催を取りやめるのは決しておかしいことではないと思う。

そもそも、野球賭博の全容が明らかになっていない。今回の処分対象者以外にも、賭博をやっていた人がいるのでは、多くの国民はそう思っているではないだろうか。大相撲が日本の「国技」というなら、それに相応しい毅然とした態度と勇気を我々に示してほしいと思う。


さて、写真はスーパーモデルの富永愛さん。聞くところによると、富永さんは大のいくら丼好きだという。いくら丼をいくら食べても(シャレです)、スーパーモデルが出来る、私はそんな富永さんに赤坂での第一号店オープニングセレモニーにゲストとして、是非来てもらいたいと思っている。

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コメント 4

まさまさ

赤坂での第一号店ですか~、楽しみですね。人が人を裁く、あるいは評価することは簡単そうで難しいですね。
by まさまさ (2010-06-29 10:44) 

たかね

こんなことを言うと不謹慎かもしれませんが、私は今回の事件?には寛容です。
多少怒りを感じた時期もありましたが、寛容どころか、自分自身こういうものの見方をしていたら、社会生活できなくなるのではないか・・・と自分に心配することもあります。

賭博・勝ち負けの世界は、太古の昔から存在するもので、問題は、胴元が誰か?ということだと考えています。
正直、野球賭博などはかわいいもので、単に胴元が暴力団だから、政府のメンツが丸つぶれ(政府は二つあってはならない)になる、と理解しております。石原都知事が公設ギャンブル場を作ろう、と言ってるのも同じ。(先日、広沢虎造の次郎長伝を聞いて、再認識)

世の中には、それこそ、丁か半に類似する世界、特に相場の世界で実需以外の取引は、全て賭博性を助長する特徴があり、野球賭博とは比較にならない金額が毎日毎秒、はったすったされております。

ただ、賭博(性のあるものすべて)の世界は、これは、一般の人に広めると、みな囚われの身となり、本業がおろそかになりますから、こんな世界は、寛容どころか、禁止すべき!と私は思っているのですが。。。

競馬ファンのまさまささんに怒られてしまいますので、この辺で。


by たかね (2010-06-30 11:51) 

karubi

まさまささん、こんにちは。
赤坂のお店、楽しみにしてください。
美味しいいくら丼出しますので、期待してください。

karubi

by karubi (2010-06-30 13:33) 

karubi

たかねさん、コメントありがとうございます。
今回の野球賭博、いろいろ意見があるでしょうね。
来月4日には、日本相撲協会が賭博に関与した親方、力士
などに対する処分を発表しますが、今後は、刑事事件
として法律的立場から裁かれることになります。

私はいつも、どんなことでも程度問題というのがあると
思っています。厳密に言えば、我々は日常的に法律を
犯していることが少なからずあると思いますが、そのことを
どうこう言う人はいないわけです。ささいなことでいちいち
目くじらを立てていると世の中は上手く回らないことを、
我々は本能的に知っているのだと思います。

そういう観点から言えば、今回の賭博問題は「度を越えた」
のだと思います。ある週刊誌を読むと、某親方のギャンブル
好きには呆れるばかりです。もともと相撲は「興行」だった
わけですから、「闇社会」との関係はそもそもあったとも
言えます。しかしながら、もともとがそうだったから
今も許されるという理屈ありません。もし相撲界が「闇社会」
と繋がっているようなことがあれば、相撲自体をどうするか
という根本問題にも及んでしまいます。

これらのことからすると、今回の件に私はなかなか寛容に
なれないのです。潔白の力士たちを救う意味からも、「膿」は
徹底的に取り除かなければならないと思います。

karubi



by karubi (2010-06-30 13:56) 

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