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エロ時代、否、エコ時代に戻ろう。 [BOOKS]

RIMG0085.JPG電力不足による節電のせいで、首都圏の今年の夏は例年以上に暑くなりそうだ。ご存知のように、現在の日本では、主に原子力、石油、石炭などを利用して電気を起こしている。このうち、石油と石炭は化石燃料であり、これらを燃やすとCO2(二酸化炭素)が発生し、これが地球温暖化の「元凶」と指摘されている。一方、原子力はCO2を発生させない「クリーン」なエネルギーとされていたが、今回のような事故が起きてしまうと、単なる「有毒兵器」のようになってしまったと言っても過言ではない。

江戸時代の研究をされている石川英輔さんの『江戸時代はエコ時代』という本によると、江戸時代、エネルギーといえば太陽エネルギーだけで、石炭、石油は皆無に等しく、原子力に至っては影も形もなかった。当時の農業を例にとると、現在機械化されている動力のほとんどは人力、すなわち人間の筋力運動だけで動かしていたし、肥料なんかも人間の排泄物を下肥(しもごえ)として使用しており、江戸時代は完全な循環型社会だったと、石川さんは指摘する。

太陽エネルギーだけに頼っていた江戸時代であるが、だからといって江戸時代の文化が現代より劣っていたかというと、そうではない。建築物、機械や金属製品、陶磁器、木工品、さらに書籍、錦絵などの印刷物、美術についても、作品の完成度は今以上だったとされる。そしてなによりも、江戸時代は活気のあった時代であり、多くの人々は幸福に暮らしていた。

大量生産、大量消費の現代社会を石川さんは必ずしも批判しているわけではない。もう時代を逆戻りすることは実際は不可能だからである。ただ、江戸時代に生きた人々のエネルギー利用に関する知恵を、現代人は見つめなおしてみる価値はあるのではないか、石川さんはそう言っているような気がする。

ある方との対談が本の最後に収録されていて、そこで石川さんは興味深い発言をされている。産業の発展とともに大量生産、大量消費の社会は当分続くかもしれないが、どこかで時代を逆戻りしなければならなくなったとき、日本人は簡単に変化することができるのではないか、そんなふうに楽観視していると石川さんは言うのだ。なぜなら、日本人は本当にやらなければならないとなったら(例えば本格的な節電、節約生活を強いられるということだろう)、簡単にケロケロと変われる国民だからだというのである。

私はこの、「ケロケロと変われる」が気に入ったというか、大いに納得したのである。「ケロケロと変われる」というのは、いい加減な感じがする一方、いい意味で臨機応変、柔軟性があるということになる。この言葉は、日本人の特性をよく表しているような気がする。

江戸時代は、「えどじだい」であるが、戸を「こ」と読めば「えこじだい」になる。私のくだらないシャレはさておき、江戸時代のことを少し勉強してみるタイミングが今やってきた、そういうことかもしれない。

さて、今日は早い便で釧路に入り、一仕事終えてから少し前に、JRを利用して帯広に入った。帯広は特に仕事はなく、帯広支店の社員たちと飲みニケーションをするためにやってきたのだ。人を知る最短の方法の一つは一緒に飲むことだと私は考えているので、これもある意味「業務の一環」なのである(単に、私が飲みたいだけかもしれませんが)。

写真は、帯広の一つ前の停車駅である池田の名物「バナナ饅頭」。美味しいのはもちろんだが、パッケージのデザインが良い。



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コメント 2

たかね

Karubiさん こんにちは
琥珀生誕1周年 すれ違い残念でした。

先日TVで岡本太郎が
「科学技術は発展すれども人間は少しも進歩なんかしていない」
と万博のモニュメント作成の概念を力説していたのを見て
妙に関心しました。全くもってその通り。

今も昔もやっていることは、ほんと繰り返しばかり。
たまたま江戸時代の算術・天文の小説(天地明察)を読んでいて
現代は道具ばかりはやたら進化しているのですが
その発想や根本的な忍耐力というんでしょうか着眼点というのか
マニュアル流行りでかえって退化してそうな感じさえします。

エロの方も平安時代から「男色」こそが・・・
いまだそういう境地には到れませんが。
by たかね (2011-04-19 17:11) 

karubi

たかねさん、こんにちは。
琥珀1周年、ゆうちゃんは相当酔っぱらっていて、
とても楽しかったですよ。

江戸時代というのは実に興味深い時代ですね。
鎖国をしていたにもかかわらず、文化には華が咲き、
人々の暮らしも豊かだった。

春画、ゴッホが手本にしたことで有名ですが、
春画を見ると性に対する日本人の大らかさが
よくわかります。大らかな性、私は好きです。

karubi
by karubi (2011-04-21 10:09) 

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